理事長 佐々木 基

一般財団法人建設経済研究所は、公共投資をはじめとする建設投資及び建設産業に関して理論的かつ実証的な調査研究を行う非営利・独立の研究機関として、1982年に設立されました。設立以来、各種の調査分析を継続的に行うとともに、毎年定期的あるいは随時にその時々の政策テーマについて、提言を行ってまいりました。また、アジア各国を初めとする海外の建設経済関係の諸活動について調査、情報交換を行うなど、国際的な活動も活発に行っております。

近年の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による未曾有の停滞に見舞われたのち持ち直しの動きをみせているものの、原材料価格の上昇、為替の変動等不安定要因が強まっており、さらに国際情勢の緊迫が予断を許さないものとなっております。我が国の建設投資は、ここ数年60兆円台の水準で堅調に推移してきておりますが、世界情勢が不透明さを増す中、今後の動向に注視していく必要があります。

自然災害が頻発化、激甚化する国土において、応急対応、防災・減災、復旧・復興など国民の安全・安心に建設産業が果たす役割は極めて大きなものがあります。また、社会資本についても、少子高齢化を伴う人口減少社会の中で、力強い経済成長と豊かな社会生活を支える土台として、脱炭素、老朽化の進展等の諸課題に的確に対応していく必要があります。

当研究所は、海外を含めた多様な情報や知識を収集し、正確な情報やデータを検証・分析するとともに、新たな政策を提言していく「建設産業のシンクタンク」として、調査研究を進めてまいります。当研究所の活動が、社会資本整備、建設産業に関わる皆様の様々な課題に対する議論を深めていただく一助になれば幸いです。